吾輩のブログ。名前はまだ無い。

田舎暮らしのアラフォーが送るただの日常

女性に恋をした女の話(第二話)

同性に恋をした女の話、第二話。

社会人になって出会った、A子についての話の続きをしよう。

女性に恋をした女の話(第一話) -

気づけばA子のことばかり考えるように

A子と会う頻度が増えるにつれ、私はA子のことばかりを考えるようになっていた。

これA子が好きそうなお菓子だな。

今度一緒に食べようかな。

ここ、A子と一緒に行きたいな。

それは、しばらく封印していた「恋心」そのものだった。

また人を好きになってしまった。

しかも女の子。

付き合ったとて、先が見えない。

女性の幸せは結婚や出産が全てでは無いとはいえ、これ以上好きになっても、仮に付き合ったとしても、相手も自分も苦しいだけの気がする。

気づくと涙が止まらなかった。

しかし、感傷に浸っているのは私だけで、A子にとっての私はただの友達に過ぎないはず。

次第にA子との友達関係について、悩むようになっていた。

A子と距離を置くように

悩んだ末、私はA子と会う頻度を減らすようにした。

会いたくないわけではない。

もちろん会いたいのだが、会うたびに苦しくなるのは分かっていた。

仕事が忙しいだの、資格試験の勉強をしなくてはならないだの、色んな言い訳をして極力会うのを避けていた。

幸いと言っていいのか分からないが、A子の方も仕事で県外出張に行くようになり、自然とふたりで会う機会は減っていった。

しかし、会っていないときも考えるのはA子のことばかり。

いずれにしても、つらい。

取得しようとしていた国家資格の勉強にも身が入らず、その年の試験は落とした。

A子と久々に会ったときのこと

それでも仲が悪くなった訳では無い。

会えない時もお互いメールのやり取りはしていた。

「私の試験が終わったら会おう」

と約束していたので、約2ヶ月ぶりにA子と会った。

とあるショッピングモールでいつものように遊ぶ約束をしていたのだが、A子にしては珍しく遅刻をした。

何かあったのかと心配をしていたのだが、現れたA子を見て驚いた。

いつもA子はボーイッシュでカジュアルめな服装なのだが、その日のA子は珍しくスカートを履き、髪の毛も巻き髪にしていた。

こんなに女の子らしいA子を見るのは初めてだったので面食らっていると、

「ごめんね、待たせて。普段こういう格好しないから慣れてなくて…どうかな?似合う?」

と、顔を赤らめながら聞いてきた。

うん、すごく似合うよ。かわいい。

と答えたものの、正直なところ似合う、似合わないはどうでもよかった。

どうしたんだ、そんな格好をして。

しばらく会っていなかったから、服装の趣味が変わったのだろうか。

それとも、彼氏でもできたのだろうか…。

心の中はモヤモヤでいっぱいだった。

モヤモヤしつつも買い物を楽しみ、歩き回って疲れたのでお茶でもしようかとモール内にあるカフェで休憩することにした。

(第三話につづく)